いきものずかん

変わった生き物集めます。面白いから^^

Page3 ノミ × 規格外の身体能力②

こんにちは!
3ページ目、小さいくせにすごい身体能力をもつ『ノミ』ページの後半です。
ノミの世界から私たちは何を学ぶことができるでしょうか…!


<もくじ>

ノミのジャンプ力の秘密とは!?

ノミは体長の150倍の高さをジャンプできるといわれています。
人間で例えてみると、ビルの30階を超すジャンプです。
想像を絶する跳躍力です!

なぜノミは、このような信じられない跳躍力を生みだすことができるのか?
体重が軽いから…?
それも要因の1つですが、そもそもエネルギーの使い方に違いがあるようです。


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跳ぶ / ジャンプ - GATAG|フリー画像・写真素材集 4.0

レジリンの存在

ノミの脚には筋肉のほかに、レジリンというゴムのような性質をもつ弾性たんぱく質が備わっていることがわかっています。
筋肉は低温になると伸縮率や出力は下がりますが、レジリンは温度の影響を受けて機能が落ちることはありません。
レジリンはエネルギー効率が非常に高く、伸縮性があることが知られています。
このレジリンの働きによって、ノミは持続的に大きな力を発揮することができるのです。

ノミのジャンプ力は身長の150倍~その秘密とは? | トレンドピックアップ


脚がゴムのように跳ねることで、ジャンプすることができます。
跳ねる際、その力が速く強力であればある程、ジャンプ力は増します。
このジャンプ力を強化する仕掛け人(仕掛け物質?)が、「レジリン」というわけです。

「レジリン」のすごさを具体的な数字を用いて、説明を加えてみます。


◆エネルギー効率の高さ

ヒトは、脚を動かすときに「筋肉」を使います。
筋肉は動かすと、エネルギーの約50%は熱として消費されてしまいます。
言い換えると、エネルギーの約50%しか利用できていないということ。

よく跳ねる「スーパーボール」は、エネルギーの約80%が利用されているそうです。
それでも20%は熱として消費されるため、バウンドを繰り返すごとに跳ね上がりが低くなってきます。

そして、「レジリン」はどれくらいのエネルギー効率でしょうか?
なんと97%だそうです!わずか3%しか消費されません。


<1回のジャンプで消費するエネルギー量>

  • 筋肉=約50%
  • スーパーボール=約20%
  • レジリン=約3% ←エコ!!


ノミの脚以外にも「レジリン」は、一生のうちに5億回以上もはばたくとハチの羽の付け根にも存在します。
レジリンが存在するからこそ、エネルギー消費を抑えて摩擦も少なく、飛び続けられるわけです。


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ぶんぶんぶん~蜂が飛ぶ♪ | 動物 > 虫・昆虫の写真 | GANREF



◆エネルギー開放速度の速さ

また、エネルギーを開放する、使う速度も速いです。
その数値、なんと1/1000秒!
「まばたき」の1/500のスピードです!

自分の脚を曲げたところを想像してみてください。
ゆっくり伸ばしてもジャンプにはなりません。スクワットになってつらいだけ…笑
でも、瞬間的に力を使って、一気に脚を伸ばすと、ジャンプできます。

これと同じ原理で、エネルギーを開放する速度が早いほどジャンプ力が増すというわけです。


つまり、ずば抜けてエネルギー効率が高く、エネルギー開放速度が速いため、
ノミは体長の約150倍もの高さをジャンプすることができるのです。
なんだか、ヒトがとてもどっしりとした動きのにぶい存在に思えてきました…。


バイオミメティクスの試み・私たちの生活に役立つ可能性

新しいゴム・バネの開発において、この「レジリン」が注目されています。
既存のものよりも、高性能で長寿命のゴム・バネの開発のための研究がなされています。

硬度や親和性といった課題があるものの、補助関節・人工椎間板・心臓の弁など繰り返し運動がある部位への応用が期待されています。

このように、生物の構造や機能から着想を得て、工学や材料科学、医学など様々な分野への応用を目指す学問を
バイオミメティクス(生物模倣工学)といいます。
生物学を、人間の生活に役立たせるための研究を行う応用科学です。

レジリンの他にも、様々なバイオミメティクスの事例があります。
丁寧にまとめて下さったサイトがあったので、よかったらご覧ください!
生き物っていろんな特徴をもっていて面白い!と痛感しました^^

matome.naver.jp


身近な生き物でも、まだ知らない生き物でも、このように人間が便利に生活するための技術開発の手助けをしてくれる可能性をもっています。
絶滅した生き物は、命は、失われるともう二度と元には戻りません。
だから、【生物多様性が重要】だと言われていますし、そう思います。




自然科学の話から一転、自己啓発の視点からのエピソードをもうひとつ。


「ノミとコップの話」自分の限界を超える!


ノミについて調べていると、こんな記事を見つけました。


yuichiro-kurauchi.com



自己啓発の話では、よく比喩として用いられる有名な話のようです。
内容をまとめると、こんな感じです。ようは簡単な実験です。

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飛び越せない状況がつづくと、心くじけて、自分の限界を決めてしまった主人公のノミっ子
しまいには、状況が好転(蓋がない)しても、限界を超えようとは思わなくなってしまいました。コップの縁ギリギリの高さまでしか飛ばない。

でも、コップを飛び越えていく新しい仲間の姿を見て…
ノミっ子は、「彼ができるなら、自分も飛び越せるかも!」と再び力がみなぎり、コップを飛び越せるようになったのです!


このことが、見事に私たちの世界にも当てはまるとお感じではないでしょうか。


生きていると、やってみたいことが出て来ますが、
同時に無理かも、難しそうと感じることも山のようにあります。


人とコミュニケーション取るの苦手だし…
語学力ないし…
勉強する時間もないし…
人前で話すなんて、柄じゃないし…
スタイル良くないし…
お金もないし…
期待にこたえられるだけの能力はないし…

…などなど…


なにもしなくても、こんなネガティブな気持ちはおのずと湧いてきてしまいます。
だって楽な方が良いもん。きっと人間の自然な心理。



自分の限界の壁なんて、目に見えないし、
自分が飛び越せるほど低いものなのか高いものなのか、わかんない。
蓋があるのか、ないのかも、わかんない。

でも、わからない、といって投げやりにするのでは、
そもそも「わからないから飛ばーない」となってしまいそうです…



たしかに限界の壁は、目に見えないから、わかりづらいけれど、
「壁を見ること」は不可能ではないです。


目標を明確に定めること。


お正月になると、「今年の目標はなんにするー?」と子どものころはよく言っていました。いつの頃からかその習慣がなくなったのでしょう……


ついつい忙しい日々の流れに身を任せたまま、流れるままに毎日を過ごしてしまいがちです。
ノミとコップを使って実験している実験者の目線をもって、
いったん落ち着いて、自分の状況を客観視できる視点をもちたいものです。


かつて、目標を立てることがうまくいったことがあります。
個人的なエピソードですが…

大学受験に励んでいた高3の夏、
友達がある有名大学(A大学とします)の対策問題を先生に添削してもらう場面に遭遇しました。そのときの私は、A大学は偏差値が高くて無理だと思い込んでいました。いま模試判定の結果も悪いし、受験勉強に本腰入れたのも遅かったし…
でも、その友達と先生に後押しされて、夏から第一志望をA大学に変更して、勉強に取り組みました。

結果……A大学に合格!!

上を目指していたあの友達に感化されたことが、大きな勝因です。


いま飛べない壁も、状況が変われば、飛び越せるようになります。
この体験があるので、私はノミの実感の結果を素直に信じようと思っています。
みなさんにも同じような体験はございますか?



<壁を飛び越すための三箇条>

1. 蓋が取れた状況の変化を逃さない
2. 飛び越せるエネルギーを持つ仲間の隣にいく
3. そもそも、ジャンプする努力をする、ジャンプ力をつける


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跳ぶ / ジャンプ - GATAG|フリー画像・写真素材集 4.0



ノミのように、身軽にどんなことにでもピョンピョン跳んで挑戦しつづけれる人になりたいものです。
私も、レジリン生成できるようにならないかな……笑

今日の学び

ノミのように、
刺激を受ける仲間と共に
高い壁を越えていこう


さいごに

これで、ノミのページはおわり!
たしかに厄介者の嫌われ者ですが、じつはすごい力の持ち主です。
この記事を読んで下さった方のノミへの偏見が少しでも薄まったら良いな、とぼんやり願っています。笑

次のページも、また小さな変な形の生き物です。
どうぞお楽しみに!



やっぱりミジンコと似ている気がするけどなぁ…笑

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http://cyclot.sakura.ne.jp/mijinko/wmiji1x.html

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https://n-d-f.com/nomi_madani/



◆ノミ
◇学名:Pulex irritans(ヒトノミ)
◆目科属:ノミ目:16科・約200属・約1800種存在する!
◇生息域:世界中。犬や猫によく寄生する。
     日本では、衛生状況の改善によりヒトへの寄生はあまりない。
◆豆知識:20世紀初期ごろまで「ノミのサーカス」が行われていた
     スカートをはいたノミ、ローラーを引くノミ…など!